「もっと文章力を上げたい」
そんなお悩みはありませんか?
社会人になると、ビジネスメールや資料作成、SNSや広告運用などで文章を書く機会が増えますよね。
「メール 書き方」や「文章 書き方」を調べれば、テンプレートや文章の型は見つかります。
でも毎回調べて文章に落とし込むのって結構時間がかかりますよね。
「自分でスラスラ書けるように、文章力を鍛えたい」という気持ち、わかります。
文章力を上げるために、勉強したいな…文章講座に入ってみようかな…と思っているなら、ちょっと待ってください。
実はいま生成AIを使えば、それなりに魅力的な文章を作ってもらうことができるんです!
「え?それなら文章力っていらない?」と思うかもしれませんが、逆です。
生成AIが作ってくれる文章が目的やニーズに合っているかどうかを見極めたり、そもそも生成AIに良い文章を作ってもらうための質問力や言語化能力がより重要になるのです。
今回は生成AIを使って良い文章を書くために必要なトレーニングを7ステップでお伝えします。
ぜひ最後まで読んでお仕事に活かしてくださいね。
文章力とは
「文章力」って文を書く能力だけだと思っていませんか?
実は「文章力」の中にはさまざまな能力が詰まっているので、まずは「文章力とは何か」について説明しますね。
「文章力」とは、伝えたい人に伝えたいことを分かりやすく文章で伝える技術のことです。
例えば、次の文章は「時短調理家電」について説明した文章です。
取引先の担当者には分かりやすく伝わりますが、商品のターゲットとなる主婦層には分かりづらいですよね。
共働き世帯の増加や家事の時短ニーズを背景に、調理の“手間”を省きながら“味”を妥協しない家電製品への関心が高まっています。
当商品は、食材と調味料を入れるだけで、火加減や加熱時間を自動で調整し、手間のかかる煮込み料理や蒸し料理も失敗なく仕上がることが特長です。
忙しいご家庭でも「健康的な手作りごはん」を日常に取り入れられるため、ファミリー層を中心に高い支持を集めています。
貴社での新生活商戦や主婦層向けの販促企画においても、ぜひご活用をご検討ください。
そこで主婦向けに分かりやすい文章に変えるとこのようになります。
「ごはん作りが、こんなにラクになるなんて!」
忙しい毎日に、ちょっと余裕をくれるのがこの調理家電。
食材と調味料を入れてスイッチを押すだけで、煮物もカレーもふっくら仕上がり。
キッチンに立つ時間が短くなるのに、手作りの美味しさはそのまま。
ガス代も節約できて、洗い物も最小限。
家族の「おいしい!」と、ママの「助かった〜」を叶える、心強い味方です。
「誰に伝えるか」が変わると、文章も全然違いますよね。
良い文章とは、伝えたい相手をしっかり意識した文章のことです。
このように単に文章の表現力だけでなく、相手の悩みを想像する力や言語化力、論理的思考力などさまざまな組み合わさったものが「文章力」です。
文章力トレーニングの必要性
文章力はビジネスメールや社内での資料作成、SNSや広告運用などさまざまな業務で必須の能力です。
また「文章力」は、ただ単に文章を書くときだけに必要な能力ではありません。
プレゼンや上司への提案、取引先への営業、お客様との会話など「言葉を発する」場面では必ず必要なスキルです。
さらには動画やデザインで表現する際も、どのような企画にするのかを始めに言語化する作業が必ずあります。
このように文章力はあらゆる業務に必須の能力であり、ここを鍛えるだけで仕事の質がグッと上がります。
生成AIとは
とはいえ、生成AIが日常的に使われるようになり、ビジネスにおける文章作成方法も大幅に変わっています。
ここでは、まずは「生成AI 」ってなに?という基本からお伝えします。
「生成AI」とは既存のデータから学習し、新しいコンテンツを生み出す人工知能です。
従来のAIとの違いはデータの調査や分析だけでなく、コンテンツを作ることができるという点です。
生成AIでできること
具体的にどんなことができるのか、以下にまとめました。
- 文章生成
- 画像生成
- 動画生成
- 音声生成
生成AIにはChatGPTやGemini、Perplexityなどさまざまな種類があります。それぞれの生成AIで作れるコンテンツは変わります。
自分がどのようなコンテンツを作りたいのかで、使う生成AIを決めるとよいでしょう。
文章生成であれば、基本どの生成AIでも作ることができます。
生成AIを使うときに必要な文章力とは
「生成AIで文章を作れるのに、なぜ文章力が必要なの?」と思いますよね。
答えは、生成AIで良い文章を作るために「どんな文章を作りたいか」を明確に指示しないといけないからです。
ここがズレてしまうと、結果的に誰にも伝わらない文章を生成AIに作らせてしまいます。
生成AIに依頼するための文章が必要なので、依頼する人間にも文章力は必要です。
AIを使った文章力トレーニング7ステップ
生成AIを活用して文章を作るには、自分自身の文章力も鍛えないといけないことは説明したとおりです。
そこでまずは自分の文章力のトレーニングに「生成AI」を使う方法を、実践を通して7つのステップに分けてご紹介します。
今回は数ある生成AIの中でも、万能選手と言われているChatGPTを使っていますが、他の生成AIでも同じようにトレーニングすることは可能です。
「生成AI使ったことがない」という初心者の方は、まずは汎用性のあるChatGPTから使ってみることをお勧めします。
1.「一緒にトレーニングしてくれませんか?」と聞く

ChatGPTの画面を開いたら、「質問バー」に以下の文章を入れて「enter」を押してみましょう。
私は仕事でSNSや広告の文章を考えなければいけません。でも文章を書くのが苦手です。文章力を上げて魅力的な文章を書けるようになりたいので、一緒にトレーニングしてくれませんか?
すると、以下のような回答をしてくれました。

すごく具体的にステップを提示してくれますよね。
あとはこの順番でトレーニングを進めていきます。
2.読み手を想像するトレーニング
「1.読み手を想像するトレーニングからお願いします」とチャットに入れます。
すると以下のような回答が出ました。

この回答に沿って考えていきます。
まとめて答えてもいいし「1つずつ聞いて」と依頼することもできます。
やりやすい方でやってみましょう。
今回は一つずつ聞いてもらいました。

このように、自分の回答から生成AIが読み手を想像して言葉を足してくれます。
これらは読み手を、より具体的に想像するヒントになります。
このトレーニングを繰り返すことで、生成AIに頼らなくても自分で読み手を想像する力が鍛えられるのです。
最終的にこのような読み手像が完成しました。

3.伝えたいことを1行にまとめる練習
次は「伝えたいことを1行にまとめる練習をお願いします」とチャットに入れます。

この回答に対して、以下のようにチャットに入れてみました。
・イライラせずに過ごしてほしい
・子どもとの時間を取れるようにしてほしい
・夕食をみんなで笑顔で囲めるようになってほしい
すると、以下のように1行キャッチにまとめてくれました。

この回答をヒントにして1行キャッチを考えてもよいのですが、今回はよりトレーニングに特化した方法を実践してみます。
さらに次の文章をチャットに入れましょう。
1行キャッチの作り方のトレーニングをしたい。どうやって私が出した3つの文章から1行キャッチを作ったの?そのプロセスを教えて
すると、以下のように「1行キャッチの作り方」を丁寧に表示してくれました。


さらにこのような提案もしてくれます。


練習を続けたい場合は、回答に沿って考えていきましょう。
最後に自分で1行キャッチを考えたら、「このキャッチを添削して」と依頼すると客観的にアドバイスをくれます。
4.惹きつける書き出しの練習
次に「惹きつける書き出しの練習をお願いします」とチャットに入れてみましょう。
まずは、書き出しの王道パターンを提示してくれました。

続けて、トレーニング方法を提示してくれます。

今回は「3.理想提示型」を選んでみます。

このように、事例を挙げつつ自分で考えるヒントを提示してくれます。
あとは質問に沿って答えていくことがトレーニングになります。
5.具体例で伝える練習
次に「具体例で伝える練習をお願いします」とチャットに入れます。
まずは具体例を入れる大切さから説明してくれました。


もしシーンが思い浮かばなければ、そのままチャットに書きましょう。
以下のようなヒントを与えてくれますよ。

6.行動につなげる締めの言葉の練習
最後に「行動につなげる締めの言葉の練習をお願いします」とチャットに入れてみましょう。

前提を整理した上で、練習を提案してくれます。

「途中まででもOK」と練習のハードルを下げて、一歩ずつサポートしてくれるのもChatGPTの特徴です。
7.文章添削
ここまで6つのステップで文章力トレーニングをしてきました。
最後の7ステップ目は、今までのトレーニングの「仕上げ」です。
自分で作った文章をそのままコピペして、添削をしてもらいましょう。
まずは「文章の添削をお願いします」と簡単にお願いするだけでも構いません。


もし出てきた回答の視点がズレているようなら、追加で「もっとセールス感を強く」などお願いしてみましょう。
添削する視点を指定すると、より求めている回答を出してくれますよ。
ここは試しながら微調整していくとよいです。
生成AIで文章を作る手順
ここまで、生成AIで文章力をトレーニングする方法を解説してきました。
自分の文章力が鍛えられたら、今度は生成AIに文章を作ることをお願いしてみましょう。
求めている文章を出してもらうためには、いくつか重要なステップがあるので順番に説明しますね。
「誰に何を伝えたいのか」を指示する
文章を書く上で、基本となる重要な情報です。
「誰に何を伝えたいのか」がわからないと、それっぽい文章が出来上がっても、誰にも読んでもらえません。
前提条件として、できるだけ詳しく指示しましょう。
35歳 女性
家族構成:夫と0歳男児、5歳男児の4人
・郊外の戸建に住んでいる
・パート勤務をしながら2人の子育てに奮闘中
・子どもには栄養のあるご飯を食べさせてあげたいけど、作る時間がない
・夕飯を作っている際に、子どもが構ってほしそうにしているのに受け止めてあげられないことに罪悪感を感じている。
・容量が悪く、レシピを見ても時短で料理を作れない
どのような立場から書くのか指示する
その文章を語っている人は「誰なのか」も始めに指示してあげましょう。
読み手にどんな価値を提供している人なのかがはっきりすると、文末の表現が変わります。
例えば「時短家電を販売しているお店のスタッフ」が書いている場合は、文章を読んだ後に読み手にとってほしい行動は「時短家電に興味を持って、商品を購入する」です。
一方「子どもの食に詳しい管理栄養士」が書いている場合は、「栄養は大事だけど、手の込んだものを作らなくても大丈夫」と知ってもらい、行動を変えてもらうことがゴールです。
ここがズレると文章そのものの意味がなくなってしまうので注意しましょう。
語り口調を指示する
「誰が語るか」とも似ていますが、口調を指示しておくことも求めているターゲットに読んでもらうには必須です。
例えば「子どもの食に悩むママ」に「〜はやめろ」という強めの口調は敬遠されますよね。
逆に気持ちに寄り添う、優しい口調が好まれます。
これは文章を書く自分自身が「どのように見られたいか」でもあります。
- 辛口で新しい視点を提示していくのか
- 共感ベースで優しくサポートしていくのか
どのような語り口調にするとターゲットに届きやすいのかをしっかり考えて生成AIにも指示していきましょう。
作ってくれた文章に対して、追加で指示をする
生成AIの使い方として、1回出してもらった回答で終わるのではなく、さらに追加で指示を続けてブラッシュアップしていくやり方があります。
もちろん初めから精度の高い質問ができれば1回で済む場合もありますが、ごく稀です。
大体は一度出してもらった回答をもとに「もう少し〇〇にして」と指示を繰り返していきます。
またChatGPTの場合は「もっとこうした方がいい?」「どんなニュアンスがお好み?」など改善案を提案してくれることも。
始めからうまく質問ができなくても、二人三脚で文章をブラッシュアップしていけるのも大きな魅力です。
生成AIを使った文章作成の注意点
文章力トレーニングや文章生成など、かなり便利な生成AIですが万能ではありません。
使用する際には注意点があるので、しっかり確認しておきましょう。
機密情報は入れない
ChatGPTの利用規約・ガイドラインでは、個人情報や業務上の機密事項は入力しないようにと記載されています。
その理由は以下のとおりです。
- 完全なオフライン環境ではない
- セキュリティは強化しているが、万一の情報漏えいリスクはゼロではない
- カスタム機能や拡張機能を使うと、情報が共有される範囲が広がる可能性がある
基本的にはチャットの会話内容を第三者に販売したり公開したりすることはありませんが、リスクはゼロにはならないということです。
具体的に入力しない方がよい情報を以下にまとめました。
情報の種類 | 具体例 |
---|---|
個人情報 | 本名、住所、電話番号、マイナンバーなど |
顧客情報 | 名前、メールアドレス、契約内容など |
業務機密 | 売上データ、契約書の詳細、新商品情報など |
パスワード | アカウントのログイン情報など |
オリジナリティがない
生成AIが文章が簡単に量産できるようになりましたが、問題点は「誰が書いても同じようなよくある文章」にしかならないという点です。
もちろんそれだけでも意味は伝わりますし、ターゲット設定をしっかりしていればある程度届けたい人に届く文章にはなっています。
しかし、その後ファン化していくには属人性も大事です。
あなただから書けること(実績や体験)や、あなたらしい言葉遣いは信頼性を高めるために有効です。
ぜひ生成AIに元の文章を作ってもらいつつ、自分だから言えることも盛り込み、信頼性を上げていきましょう。
事実確認が必要
生成AIで出した回答は、オンライン上のあらゆるデータを学習した知識です。その中には残念ながら事実とは異なる情報もあります。
生成AIで出したからと言って、全てを鵜呑みにしてはいけません。
しっかり事実確認を行うようにしましょう。
事実確認に有効なのは「ファクトチェック」です。
ファクトチェックにおすすめなのは「Genspark」という生成AIです。

トップ画面の左のメニューバーから「すべてのエージェント」をタップします。

「ファクトチェックエージェント」をタップします。

チャットに文章をコピペしたら、事実確認を行なってくれます。
Web上で事実確認に必要な情報を探ってくれるので、回答を出すまでに2~3分かかりました。
出てきた回答は以下のとおり。


しっかり事実確認を取って、信憑性のある情報を届けていきましょう。
まとめ
今回は生成AIを使った文章力トレーニングと実際の文章作成の方法をお伝えしました。
これからの時代は生成AIをうまく使って、よりターゲットに刺さる文章を効率的に作っていく能力が社会人に求められます。
ぜひ、今回ご紹介した文章力トレーニングを実践して、生成AIと二人三脚で魅力的な文章を作っていきましょう。